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"ピピピピッピピピピッピピピピッ
カチッ"
<うー...、夢?>
私は恐る恐る携帯を開き、電話帳を見た
"橘翔"
<!?やっぱり夢じゃない...>
ふとメールの受信名に目をやると
"橘翔
明日の朝迎えにいくから、ちゃんと起きとけよ!"
"ガバッ"
<やばいー、そうだった!
急いで支度しなきゃ!>
私がちょうどご飯を食べ終わった頃に
"ピーンポーン"
[はわ!来ちゃった!
お母さん、行ってきます!]
私は、お母さんのいってらっしゃいの声を背にバタバタと玄関を出た
"ガチャ"
[遅い!]
[ご、ごめんなさい!]
玄関を開けると、血相を変えた彼が待っていた
私は怖くて、謝罪をしてから一言も話せないでいた
<ふぇーん、怖いよー(泣)どうしたらいいの?>
考えもって歩いてるもんだから
[おーい、置いてくぞ!]
彼と差ができてしまった
私が走っていくと
[ん?]
[へ?]
[カバン、貸せ。持ってやるから]
[!? カバンくらい自分で持つよ!]
そう言うと、彼は不機嫌そうになった
<な、何か話題変えなきゃ!>
[あ、あのさ橘くん。何で私と付き合おうと思ったの...?]
そう聞くと、少し間が空いてから返事が返ってきた
[面白そうだったから]
[お、おも!]
面白そうだったからって...
ひどい!
私が失恋したの見て楽しんでたんだ...
さすがに泣けてきた
"はぁー"
私が一つため息を着くと
[なぁ、あいつのどこがよかったの?]
[どこって...
優しくて明るくて、頼りになるところかな]
[ふーん]
自分から聞いといて、ふーんってよく分かんないな、この人
そんなことを思っていると
[まぁ、元気出せって!
今度は俺がお前を幸せにしてやっからさ!]
そう言って、彼は子供っぽくてかわいい笑顔を私に向けてきた
"ドキッ"
<なんだろう、この気持ち...
急に優しいこと言うから>
そのあと、あのドキドキは学校に着いてからも続いた
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