1人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
そこには見知らぬ男の子がいた
[ご、ご、ご、ごめんなさい!
大丈夫ですか...?]
私は、泣きそうになりながら彼に聞いた
[大丈夫だよ!
だから、そんな顔すんなよ...な?]
彼は、優しく私の頭を撫でながらそう言った
[はい...]
安心したのか、彼の優しさが嬉しかったのか私の頬には涙がつたう
[泣かないでくれよ...
俺は大丈夫だから
それより、あんたは怪我ないか?]
彼は指で優しく涙を拭ってくれた
[大丈夫です!ありがとうございます!]
私は笑顔で彼に言った
すると彼は
[......
ならよかった!
じゃあな、次はこんな危ないことはすんなよな!]
そう言って走ってどこかに行ってしまった
名前、聞くの忘れたや
友達に聞いても、誰も分からないみたいだった...
学校でも探してみたものの、人が多すぎてみつからなかった
それで今に至る
[......
翔ってあのときの男の子!?
顔を覚えてなかったから、分かんなかった...]
[俺はすぐにお前だってきずいたよ
あのときのお前の笑顔が忘れられなくて、お前のこともっと知りたくていろんなこと調べた
クラス、名前...
お前は、困ってる人だったり動物だったりを見るとほっとけなくて、助ける
みんなが嫌がることも、進んでしてた
お前に会いたくて、一回会いにいった...
でも、お前には彼氏がいた
だから、やめた]
この人はそんなに前から、私のこと見ててくれたの?
私のことずっと知っててくれたの
そんな、ほとんどしゃべってもないから顔を覚えてなくてもおかしくないのに...
[ごめん...
翔は覚えててくれたのに、会いに来てくれたのに]
私は泣きながら言った
すると、一年前みたいに
[いいよ!
今こうして空と付き合えてんだから
だから、泣くな!]
そう言って涙を拭ってくれたあと
優しく頭を撫でてくれた
その手が暖かくて、翔の腕の中で気が済むまで泣いた
最初のコメントを投稿しよう!