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「あぷり!毎朝トホホの徒歩通学ごくろーさーんだ鵺っ」
影のひとつから降ってくるヒヤカシの声に顔を上げれば
同学年のエリート要請クラスこと『イケムシャ50』のミジンコの1人・クローイッカクが、愛用のノレンに跨がって、しょーもないギャグを浴びせてきた。
お決まりのカスリのキモノを風流に着流して、扇子で口元を隠しながらアタシを見下ろすタカビシャな態度ってば…
にくったらしいたらありゃしないっ
「イーッだっ!足腰ヒヨワなヤツなんて、ぜんっぜんイケてないんだからねーっ」
「フフンッ強がりもいいけど、それがボクを振った理由にはならないよ
まったく…ひなたくんなんかのどこが良いんだか
じゃあ、せいぜいかっ飛ばしていくんだ鵺!」
「ぬぁんですってぇえっ!!ひなたくんはアンタなんかの100兆倍カッコイイですよーだっ
そっちだって、せいぜいアタシに振られたとか一生の汚点になればいーよっ」
お互いに不敵に不適切な捨てぜりふを投げつけあうのは、もう日課みたいなモノ。
イッカクは勝ち誇った笑いを上げて飛び去っていく。あのイヤミさえなきゃ悪いヤツじゃないんだけどねウンイケメンだよねウン。
って違う違うっ!だだだいたい、語尾の漢字とか読めませんからぬぇっ
「あぷりとニクの字、オハヨウ。
今日は珍しく早い登校じゃない。テケテケね。」
ウワサをすれば
紫のスーパーストレートヘアーを風にそよがせながら、金色のサトウキビに跨がって颯爽と横に並ぶ超絶美女。
親友のかほりちゃんのご登場だ。
「かほりちゃんおはよーっ今日も一段と美人だねっ」
「ウニュニュ。ボクはニックんなのに。ウニュ。」
「まーまーニックん!かほりちゃんなりの愛情表現だってばぁ気にしないのっ」
しょんぼりと尻尾の蛇アタマごとうなだれるニックん。やぶぁい萌えるしっ
「それよかかほりちゃんっ
昨日の『ひとりで萌えキュア』の激萌えピンクの新必殺技見たー!?も、ちょーっカックイイよねっ!」
「えぇ当然よ。まぁなんていうか…
ピンクの繰り出すワザのタイミングにしては、前回よりもコンマ0.538秒ほどスローではあるけど、角度はなかなかのモノよね。
まぁ私とテケテケだけど。」
銀縁メガネを中指でクイッと持ち上げながら、華麗に言い放つツンデレな口調。キリリとした切れ長の瞳のチラリズムがたまんない妖艶な横顔。
アタシの自慢の大親友は、我が校きっての才女にして
ナゼかアタシと同じアニメヲタクなの。
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