恋、それは苦行と読む若人特有の一過性の症状と文字数オーバー

3/6
32人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
お団子にまとめたオレンジヘアーの下のブラウンアイズが、ウルウルと揺れてるその表情ったらもおもおっ 確実にヲタク(アタシ)ウケは必至だよねウンウンッ 鼻の下をオッサン級に伸ばしながら目を三日月型にして凝視するアタシを、心配そうに見つめてくれてるミミナちゃん。イヤだもうカワユイッ 「あぷりん…ホントにムリしないでくださいね? アタマが痛いなら一緒に保健室行きますから…ね?」 ああっこのイタくなくむしろンキモチイ天然素材っニクイほどの逸材っ って、アタシの心をかき乱さないでえっ でもでもミミナちゃんてば、せっかくのハイレベルな魔法使いなんだから、とっくにエリート要請クラスの仲間入りしてていいハズなのに。 まぁ魔法然り、台風の中3回も部屋の窓を全開にして寝ちゃって朝オモラシとか大騒ぎするド天然さが無ければ…ね。ホントもったいないな。 ふいに爽やかな風がそんなアタシたちの間を吹き抜けていく。 窓を開け放った教室のベランダに置かれたミニ薔薇たちが、控えめな微笑みみたいに揺れている。 「君らエリートなんでしょ?全員同時に発動できなくて出世とかする気なワケ?ゲッヘベロウ☆」 なんだか校庭が騒がしいな。この声はドS鬼畜野郎で名高いミッツ先生の物質化魔法授ぎょ… 「せせせせんせいっっ!!」 「なんやあぷり。1000周に増やしたいんか?」 「はいっっ!!あぷり、1000周走ってきます!!お酢っ!!」 ミミナちゃんの悲鳴がどよめきに掻き消される中、アタシは一直線に教室のドア目掛けて駆け出した。 「ウニュニュ。どうした。あぷりウニュニュ。」 愛しの相棒ニックんが蛇アタマをピコピコとせわしなく動かしながら、アタシの周りを不安げに飛び回る。 「どーしたもこーしたもないよニックんっ!!」 彼がっ ひなたくんが校庭にいらっしゃる!! 「おー行ってこいやあ!テスト範囲の授業すっぽかしても行くんやからなぁ! キッチリ1000周、ゴマかすんやないで!」 タダの恋する可憐な乙女と化したアタシを、鳩頭もといタースウ先生の笑顔が見送ってくれる。 『君らは腐ったデコポンなんかやない』って! そうっこれぞ名シーンッこれぞ青春よね先生っ! 「なんなら押し倒してまえや。そそるで。」 すれ違い様、涙を風にはためかせるアタシの耳元でした ゾクリと背筋を撫でるようなあの囁きは きっと風の音だったに違いないったら違いない… よ…ね?
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!