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「うっし!ニックん!ひなたくんは目と鼻の先だよっ
こんなまたとない好機逃してなるもんですかあ!」
「ウニュ。テスト落ちた。あぷり。ウニュニュ。」
まゆげの無い顔をゆがませて溜め息をつくニックんを尻目に、アタシのジマンの脚力が廊下に一陣の風を巻き起こす。
「コラアッ廊下は走っちゃいけませんおっあぷりさん!」
その声に振り返れば
ゲゲッ妖怪!?と思いきや、学校長のアーワ先生が顔までスッポリスカートをかぶって拳を振り上げてる。
「キャー妖怪っ!!校長先生呼んでこなきゃっ!ぢゃっ!」
「校長はワタクシですおっ!って誰が妖怪ですか誰がっ
あぷりさん!コラアッ待ちなさいっ」
フフンッ見たか!
これぞあぷりちゃんの究極魔法『アイの神風』!かわせるモノならかわしてごらんなさいっ
あ、ついでのついでだけどっ
せめてパンツはシースルー以外をオススメしますよ校長先生!
「ふうっとりあえず巻いたみたいね」
目指すは校庭!前方に小さく見えてる集団の中に…
いたっっ!!聖なる天使なる神なる存在
憧れのひなたくん発見!!
軽く息を荒げながら、ブルーのサラサラ猫っ毛をかきあげる仕草
真剣そのもののブルーアイズ
コスチュームはコココス…ッ
「もももおらめ…はなちがっ!
ぢゃないぢゃないっ!あぷり、いざ参るっ!!」
巨大フォークをペシペシ肩に当てつつ、指先でせわしなくメガネを押し上げるミッツ先生が生徒たちをネチっこく指導する姿が見える。普段女生徒の制服舐めまわすよーに見てるクセに!エエイッ憎憎憎たらしいっ
「君らの召還魔法のレベルって、こんなもんなの?ネェ。めっちゃガッカリだね。
もー次が最後のチャンスだよ?イクよ?ゲッ・ヘ・ベ…??」
てっきり校庭一周したつもりが
勢い余って、ひなたくんへの最短直線コースを突っ走っていたみたい。時既に遅しってヤツだよねテッヘペロー!
イケムシャ50全員他ドS教師1名の視線が一斉にアタシに向けられる。
モチロン、彼の視線も。
あぁひなたくんひなたくんひなたくんかくんかしたひっ
「ちょっ!!止まれ止まれえーーっっ!!」
ボボンッ!!
――ナニが起こったんだかサッパリ分かんない。けど
土煙の中で、マウントポジションを取ったひなたくんの手が
アタシのキュートな乙パイにシッカリとタッチされていたってコトだけは
空虚な記憶の片隅と乙パイだけが覚えていた。
…………
「ウニュニュ。あぷり。ヒンヌー乙ウニュ。」
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