セガールプロジェクト~終焉と序章~ って何それ甘じょっぱいの?

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「ねぇりおママ…なんでアタシを4年生になんて産んだの? おにいちゃんは42才なのに」 「あぷりったら急にどうかしたの? ママが24才なんだからいいじゃない♪」 夕飯の食卓を囲みながら、アタシは節目がちにりおママを問い詰めてみた。 けど相変わらず、会話にならないんだよねチキショー。 「なんだあぷり。そんなモノなら目をつぶってでも解決できるぞ。腐腐腐腐」 アタマに乗せたままの地球儀を磨きながらパンチェッタピザを頬張っていた兄が、オカシな会話をかぶせてくる。 アタシはそんなイヤな予感しかしない兄のセリフに冷ややかな口調で質問をぶつける。 「…どーやってよ?」 「そんなモノ、オレのゴッドハンドで揉みしだい」 「そんなヒマがあるなら自宅をシッカリ警備してね。おにいちゃんっ」 兄の左頬に右ストレートをめりこませながら、アタシは物思いにふけっていた。 それにしても改めて思い返すと、なんかおかしい みんな今日は特別おかしかったよね… ニックんもかほりちゃんも、先生まで… やっぱりあの時のアレは 風の音でもただのエロいオッサンのオネダリでもなかったと思う。 そして、ひなたくんとの有り得ない急接近。 それだけでもマンガみたいな展開なのに あれってば逆バージョンとはいえ、タースゥ先生のあの言葉通りだったんだもん… それから、かほりちゃんが言ってた『なんちゃらープロジェクトA』って一体なんのコトなの? もうっ分からないコトだらけだよ… 「ごちそうさま。アタシ、テスト勉強するね」 「あぁんっパフェが手についてベタベタッ ヤダわ、薔薇風呂に入らなくっちゃ!」 いつの間にかデザートのマンゴーパフェにありついていたりおママが、ほっぺに生クリームを付けて気付かないとゆー少女マンガの王道的エヅラで、子供じみた奇声を発してる。 カワイイだけに…カワイイだけにこのお人は… バスルームに小走りに消えていくりおママの背中をぼーっと見送ったアタシは、静かに席を立つと2階への階段を上りかけた。 「オイあぷり。テスト勉強なんぞよりも 本当の答えを知りたくはないか?」 その声に振り返れば 口の端を意味深に歪ませた兄が、鼻眼鏡越しにアタシを見上げていた。 「え…?なぁにおにいちゃん?」 ユラリと体を宙に浮かせた兄の地球儀の影から、眠たそうに目をこすりながらニックんがひょっこりと顔を出した。 「あぷり。真実をその目で確かめたければ オレについてこい。」
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