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夏
外から帰って自分を眺めると
髪の生え際からは
滴る汗
首筋にも
背中いっぱいにも
はじけるように ふきだす粒
あつい
あつい
クーラーのやつは
何をしてる
たまらなく
感じた喉の乾きに
自然と手が冷蔵庫に伸びる
きん、と冷えた麦茶を
コップになみなみと注ぐ
掌の熱をコップに逃がし
さぁ、待ちわびた砂漠にオアシスを
がぶり、がぶり、ゴクン
冷たい感触が喉を下る
潤いを欲した体は歓喜する
あぁ おいしい
気持ちいい
そうか、私は
こんなにも生きている
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