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「若造が、何様のつもりだ!!」
会議場を後にした、ポセイダルは憤懣やるかたないといった様子で廊下を歩んでいた。
美しい金髪の秘書、ルビー=ガリウスが、冷たく良く通る声でポセイダルをなだめる。
「お言葉が過ぎますわ、ポセイダルさま。あの方は仮にも、創始者の血を引く御方……」
「貴様、誰の味方のつもりだ?」
秘書は自分が少し出過ぎた真似をした事を悟り、直ぐにポセイダルに謝罪したのだが、彼は許さず、彼女の首根っこを掴み身体ごと持ち上げたのだった。
「この次に、ヤツの事を言ったら、その首をへし折る、覚えておけ!!」
ポセイダルは、秘書の首から手を放した、しかし彼女は苦しげな顔をする事もなく笑いさえ浮かべていた。
「喰えない女だな、秘書をしているのが惜しいな」
「妹から連絡がありました。奴らと接触したとの事」
「で、例のモノの場所は、分かったのか?」
「それについては、まだ探索中との事です」
「急げ、ヤツよりも早く見つければ、我々の勝利は間違いないのだからな」
ポセイダルは、強い視線を窓の外に向け、確信した面持ちで頷いていた。
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