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「あらあら、お邪魔しちゃったかしら?、お二人さん」
エメラルドグリーンの軽くウェーブしたセミロングの頭髪と同じ色の瞳が一目で日本人離れした雰囲気を醸し出している。
彼女の名前は翡翠みどり(かわせみ みどり)。 アメリカから転校してきた帰国子女であり、パイグリーンその人でもあった。
「本当にもぉ…、あんたって娘は…、イイ所で登場するわね…」
「単にタイミングの問題でしょう桜サン」
額をピクピクさせる桜に、お手上げのゼスチャで仕方ないわねっと、みどりはつれない態度をとった。
「桜、お仕事の話があるんじゃないの?、後の2人ももうすぐ着きますって連絡あったわ」
みどりの言葉に、仏頂面だった桜はハッと気を取り直して、目の前のパソコンを弄り始めた。
「茜ちゃん、ゴメンね…、せっかく気持ち良かったのに…」
「えっ、ぁあ、別にいいですよ、逆に助かりました」
茜は舌をペロリと出すと、みどりに向かって、頭を深々と下げてお礼を言った。
同じ高校2年生のみどりに敬語を使うのは、彼女が実は年上だからだ、編入時に自ら希望して学校側に申し入れた事は茜もみどり自身から聞かされていた。
上級生の桜にもタメ口なのは、そんな立場も関係しているのだ。
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