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「桜、仕事って、イベント出演?」
みどりは桜に向かって問い掛けた。桜は右手の指先を左右に小刻みに振ると、パソコンの画面を2人に向けた。
「あ、新しいアーマドマッスルスーツですねー」
「新型!?、仕事じゃないの…」
目をキラキラと輝かせる茜と対照的にみどりは困惑した表情を浮かべる。
「お2人さん、今度の新型スーツは今までのモノとは桁違いに高性能になっているわよ!!」
「あんたのその言葉に、今までどれだけ騙されてきたか!!」
みどりは桜に冷たい視線を投げつけたが、桜は気にする事もなく嬉々として、新しいスーツの説明をはじめた。
「2人共、良く聞いてね!!、今回の目玉機能は精神感応能力が従来比の3倍になっております!!」
「3倍…、アノ感覚も3倍増しってコト…」
みどりの顔に絶望的な表情が浮かぶのを茜は横目にしっかりと確認していた。
「あら?、みどり様、アノ感覚は、お嫌いですか?」
桜の意地の悪そうな、ニタニタ笑いの表情が酷く浮かび上がってきて、みどりの顔前に迫ってきた。
「き、キライじゃないケド…、ねぇ…」
みどりは、頬を桃色に染めてモジモジと下を向いたのだった。
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