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「……お前、その笑顔 怖ぇよ」
「…失礼ですね。父に言われたんですよ、困ったときはとりあえず笑みを見せとけば、どうにかなるって」
『『…………』』
なぜ、二人は急に静かになったのでしょうか?
「…うん、とりあえずそれは… 人によると思うよー」
理玖、それは… どういう意味ですか?
「いや、お前が笑みを浮かべるときと言えば… 静かに切れてるときか、何か企んでるかのどっちかだろ?」
……誉、あなたは温厚な私に何か恨みでもあるんですかね?
『……私?』
突っ込まなくていいところを今まで会長と副会長の空気に呑まれて影が薄かった会計がなにか引っ掛かったようにポツリとつぶやく
『おや、確かに。そう、言われてみれば先ほどからちょくちょくと…』
一人称が変わっていますね、と口元に小さく笑みを浮かべる副会長に、
『お前…』
会長がしたりと笑みを浮かべる一方で、なぜ誉の顔が引き攣ってるのでしょうか…?そして理玖。なぜあなたは私の腕を掴んでるのでしょうか?
「ま、ま、まま待って待って待って!!?」
……いえ、ね、先ずはあなたが落ち着くべきでは?
「ぉ、おう… お前、転校早々流血沙汰を起こすなよ?」
・・・先ほどから何なんでしょうか?この二人は。二人の私に対するイメージというのが嫌でも伝わってくるのですが。何を、どうしたらこの温厚な私が流血沙汰を起こすのでしょうか。
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