マリモ否毛玉と言うのは世界共通の人種になるのでしょうか。

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「いつ、俺がお前の大親友なんかになったんだよ!?」 わかってますよ、赤城くんはツンデレさんなんですね!こういうときはまるっと無視が一番です。 『なぁ!?おい!!!……無視かよ!?』と、一人喚いてる彼を放置し、黒瀬くんをちょいちょいと手招きする。 「み、南…?」 黒瀬くんの強張った表情が少し解せませんが、まあ…いいでしょう。私は『心』が広いので。『あの、南、怖いんだけど』とか、そんな言葉も私には聞こえません。 「な、なに?」 「まあ、そう警戒しないでください。せっかく、大親友の黒瀬くんにとっておきの情報を教えてあげようかと思ったのですが… 」 ちらりと理玖を見てから、黒瀬くんに視線を戻し、目を窄めると笑みを深めた。 「……とっておきの、情報だって?」 ああ、本当に… 「ええ、二人だけの秘密なんですが」 彼は、『チョロい』ですね。ちょろすぎて思わず口角が上がりそうです。 いえ、少し心配ですね、ここまで簡単に釣られるかと思うと、彼はもう少し人を疑うことを覚えたほうが良さそうですが… まあ、それは次回でいいでしょう。 近くで誉が『あいつ、また悪どい表情してんぞ?』とか言っているのが聞こえますが、それも後で問いただすとして、 「……秘密、」 黒瀬くんはわかりやすいくらい目が輝いていますね。 「ええ、実は…」 そっと耳元で口角をつり上げる。 「理玖は前の学園の理事長の想い人なんです」 「え゙、っ!?」 思わず、と言った感じで驚いている彼に、シーッと人差し指を口元の前で立てて、仄かに笑みを浮かべる。 「…そのうえ、元、会計。あなたの好きなワードでしょう?」 「みな」 「シー…」 秘密ですよ?と最後に付け加えるとさらに黒瀬くんの目が輝いた気がします。横で誉が何か言いたげに半眼になってるのが、無視が一番です。 さ、これで… 理玖のことはわかりやすく期待を膨らませてる黒瀬くんにお任せして、こっちはさっさと用事を済ませましょうか。 「みっちゃん?なに、話してたのー?」 「理玖が鈍いので、その面倒をよろしくお願いしますと伝えただけです」 「みっちゃん!!ひどぉい!」 「嘘ですよ、と言いたいところですが、事実なので」 おれ、みっちゃんに何かしたぁ!?ポカポカポカポカと叩いてくる理玖を適当にあしらい、赤城くんの肩を叩く。 「……では、お二人の面倒はよろしくお願いしますね、赤城くん?」 「は、ぁッ!?」 「さあ、なに、そこで突っ立ってるんですか、さっさと行きますよ。誉」 「あ?」 なに、一人だけ部外者みたいな顔で突っ立ってるんですか。 後ろで生徒会と転校生が何か騒いでいますが、理玖たちが何とかするでしょう。理玖はあれでも実力主義の元生徒会役員ですし、今までだって、何度か生徒の喧嘩の仲裁に入ったこともあります。…唯一足りない所と言えば、戦えないないところですが。 あれだけ期待に目を輝かす黒瀬くんが理玖から離れないでしょう。そうすると、赤城くんももれなく付いてくるわけですから、あの二人のナイト役は少しの間、彼に任せても問題なさそうですね。 ……しかし、こうも問題が山積みな学園とは、前の学園と被るせいか、いろいろ気が進みませんね。 誉を連れて、後ろで騒ぐ生徒会と転校生を後ろ背に、食堂から出ていった。
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