プロローグ

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もう何度目だろうか? あの事故の夢を見るのは。 途中までしか思い出せないんだけどね それに随分と昔の事なのに…… 家には誰もいない。 母親は僕が幼い時に 流行り病にかかり亡くなった。 元々、体が丈夫じゃなかったらしい。 父親は二年前から 大きな街に出稼ぎに行ってる。 一昨日の手紙では 出世して守衛隊長になったと 文面からでも 喜んでるのが伝わった。 生活費がまた増えるね。 「寝起きから思いふけってたよ。 まったく朝が台無しになるよ」 鉛のように重くなった体を 起こしてベッドから這い出た。 ーー憂鬱な気分を 晴らしてくれる太陽でも拝もうか。 ノエルは玄関の扉を開けた。 太陽に照らし出されたノエルの横顔は 端正で中性的な顔立ちをしていた。 ノエルは柔らかい長めの髪をかきあげながら 後ろ手に扉を閉めると 扉のノブに掛けられてる物が揺れた。 それは村の【回覧板】だった。 ーーなんだろう。滅多に来ないのに。 僕は疑問に思いながらも 回覧板を取り、紙を読んだ。
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