ブリキの世界よ、コンニチハ

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「人間だー人間だー」 「人間だー人間だー」 (なんだよ・・・うるせーな) 違和感のある声に俺は目を覚ます 状況が理解できないがどうやら気絶していたらしい おもむろに体を寝た状態から あぐらの体制へとうつす 目の前には 「人間だー人間だー」 と言いながら俺を中心に円を描くように周る 二人?の子どもが確認できる しかし何かおかしい 一番最初にそれを感じたのは 子どもの背中についているゼンマイ式のネジを目視したからだ 見た目もどうやらサビているらしく ところどころに鉄の錆びた質感を確認できる しかし人間の肌にそのようなことがおきるものなのか? と疑問がさらに増える 子ども二人を見ながら背景を確認する 見るからに草原 の一言に尽きた 青々と茂った長さ3センチくらいの芝生が 見渡す限りの地平線まで広がっている 「まずはなんでこんなことになったのか整理しないとな」 自分だけに聞こえる小声で 冷静に今の状況を理解しようとすると 「まず俺は父さんの部屋にいった そこでゼンマイ仕掛の箱を見つけた ネジを回し・・・」 「ねぇねぇ君は天士なの?」 とつぜんの声に反応して俺の思考は止まってしまった 二人は俺の顔を覗き込むようにしてそう聞く 質問の意味がわからずおもわず聞き返す 「天士?」 「違うの? あぁ天士の意味がわからないんだね 天士っていうのは天からきた戦士の略語だよ もう一度聞くね 君は天士なの?」 「ぁ~えっと・・・すまん 意味はわからんが多分違うと思う」 「え?でも君空から降りてきたよ?ねぇ?」 「うんうん空から降りてきてたよ」 二人はお互いの顔を確認しながら 俺の方を見てくる 空から降りてきた? なんだそのおとぎ話わ 天空の城ラ○ュタか? 「とにかく俺は天士じゃないから」 そういって俺は立ち上がり 二人が前を塞いでいるので 向きを反転しながら足を出した瞬間 ガンッ!! 俺は大きな何かにぶつかり 背中から倒れ尻もちをついてしまった
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