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その瞬間、ツッコミたいことが二つ生まれた。 ひとつは、俺の名前を知っているということ。 もう一つが、 「これ、心臓じゃないの?赤ちゃんの?」 三輪のおじさんから渡された心臓らしき物体を指した。 『あ~、違いますよ。三輪さんに騙されたんですぅ~。これは干しすだちって言って、私の好物なんですぅ~』 普通、猫は柑橘系の匂いが嫌いなはず。 すだちを干すことで、その匂いが消えるとでも言うのだろうか? 『違いますぅ~、私は猫の中で唯一、柑橘大好きっ娘なんですぅ~』 タマ子は俺にウィンクを投げる。
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