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『三輪さんが、今日、佐伯ヒロカズという男が行くからシクヨロって言ってたんですぅ~』 「シクヨロって。そういえば、あのおっさん、俺の背後に女性がいるって言ってた。タマ子には見えるか?」 『タマ子だなんて、そんなぁ~。恥ずかしいですぅ~』 目を閉じ、声だけ聞くととても可愛い。しかし、その声の主が毛むくじゃらのメス猫では、嬉しくない。 『います、います。ウジャウジャ』 そう言われるとなんか怖い。しかもウジャウジャだなんて。 「しゅ、守護霊、だよね?」 『違うよ。ほぼ生き霊ですぅ~』
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