◇猫の守護◇

5

『それは、俺から説明しよう。イチ、もう時間だ』

その声は本堂の中からあった。
振り向くと、人影が扉を開け、中からまさしく『人』が出てきた。

ブランド品の革靴に、ビンテージのジーンズ。海外バンドのプリントが入った白いＴシャツを着た金髪の若い男だった。

ーーだ、誰？

『驚かしてすまないッス！俺ッス！』

その声と話し方には聞き覚えがあった。

「ティーアイ！？」

彼はピースサインを横にして目元に当てるとニッコリ笑う。

ーーチャラい。