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着いた時には、外は真っ暗だった。
家から乗ってきた車に鍵を掛けると、そのまま真っ直ぐにさやかの墓へ花を生け、両手を合わせる。
ーーさやか、もし君にまだ歩ける力が残っているなら、協力してくれないか。
大変かも知れないけど、そっちで三輪というノリのいいおじさんを探してほしい。
そして、僕の声を辿って来てほしい。
目を開ける。
もう、そこに辛く、悲しい思いはなかった。
今目の前にあるのはイチを何とかしたいという思いだけ。
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