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「これが、帝都裁判...」
ポツリとつぶやく。いや、それしか言葉が出てこない。まさに圧巻。
『静粛にっ!!』
ハンニャ顔が叫ぶと、場内は一気に静寂へと変わる。
だが、あまりにも大きい声に怯える妖怪も少なくない。
『これより被告、宮城県亘理町三田神社の使魔、イチを入廷させる』
ハンニャが手を指す傍聴席の後ろ、銀色に輝く扉が開き、冷たそうな檻に入れられたイチが現れた。
檻は黒い翼の生えた天狗が二人掛かりで持ち上げているのを見ると、相当重量があるようだ。
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