2 いざ!裁判!

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檻が中央の台座に置かれる。 ーーなんだこの違和感。 すぐにわかった。 檻の中にいるイチの様子が変なのだ。 数時間前まで、あんなに普通でいたのに、今目の前にいるイチは、檻に噛み付いたり、シャーシャーと睨みを利かすばかりだ。 牙と爪をむき出しにして、近くにいる天狗に襲いかかろうとしている。 「やめろ!イチ!僕はそんなイチを見たくない!」 つい立ち上がり叫んでしまった。 皆の視線が恥ずかしい。 「たいき君、落ち着きなさい。これは裁判では仕方ないことですよ」 隣にいた一つ目のおじさんに服を引かれながら諭された。
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