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検事である一つ目のおじさんから、イチに対する起訴状が読み上げられる。
位置付けからすると、このおじさんが僕の味方ということらしいが、僕の中ではこの裁判を無効にしてやりたいと願っていた。
「......よって、ここにイチへ500年の拷問に処するべく起訴致します」
もちろん、さやかの死に対する罪なのだが、僕は元々、誰かに罪を追わせたいと思ったことはない。
『いや、地獄行きで決まりだ!』
『いいから目の前で浄化だ!』
傍聴席から飛ぶヤジはやはりこの世のものではない。
もし、現代の世の中でそんなことを言えば、すぐに妨害として裁判所からつまみ出されるか、病院行きだ。
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