3 ようこそ、地獄の裁判へ

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そんなことを思っていると、会場から笑い声が漏れた。 傍聴席で数人、笑った。 僕にはそれが何より許せなかった。 ーーこいつらは、裁判もさやかもイチも関係ないんだ。ただ、目の前で誰かの無残な結末を見たいだけなんだ。 次第に身体中から汗が吹き出てくる。 ーーそうだ、ここは現代でも、地獄でも、天国などでもない。だからこそ、生きるか死ぬかの世界が見える。 彼等からしてみればここは娯楽場ということなのだろうか。 『静寂にっ!!傍聴席で次、口を開いた者には地獄への片道切符をさしあげよう!』 瞬時に無音と化す。 僕も鳥肌が立った。
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