599人が本棚に入れています
本棚に追加
それからしばらく当たり触りない質問が投げかけられた。
さやかの事、親の事、私生活。
これでは尋問というより、日常会話のように思えてくる。
またも傍聴席から騒ついたプレッシャーが押し寄せてくるのを感じた。
「では、たいき殿。何故生身であるあなたがここへやってきたのです?この裁判はあなたがいなくても執り行われましたが」
陰陽師はグルリと振り返り、僕を見た。背筋に緊張が被さる。
「はい。それは、この裁判の無効を主張したいからです!」
会場が一気にざわめく。
一つ目のおじさんは、席から立ち上がり眉間にシワを寄せ頭を抱える。
一方、ティーアイ達は驚いたように口を開けていた。
最初のコメントを投稿しよう!