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「おい、佐伯!聞こえてんのか?」
「あ、はぇい?」
「会社で寝るくらいなら、有給使え!馬鹿!」
案の定だ。
結局、寝付けない。結局、寝不足。
彼女を見かけてからというもの、こんな調子だから目も当てられない。
寝不足になるくらいなら、悩まなければ良いのだが、本当にこの悩みが後を立たない。
「疲れてんすよ。佐伯先輩は最近昇進して、見えない気疲れでもしてるんですよ。きっと」
そう言う部下の沼田は自販機からコーヒーを取り出し、俺に差し出す。
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