2

6/10
前へ
/268ページ
次へ
『あんちゃん、それ以上行ったら本当に死ぬよ』 そう言われ、肩に腕を組まれ後ろにグイっと引っ張られる。 そのまま後ろへ尻餅をつく格好で倒れるが、すぐに顔を上げる。 「誰だよ、ったく!」 『お前さんの命の恩人だ!』 そこにいたのは、ヨレヨレのランニングシャツに黄ばんだタオルを首にかけた、メタボなおじさんだった。 額にかいた油汗がやたらまぶしい。 「誰だよあんた、人を急にっ」 『おいおい、恩人に向かってそんな口の聞き方あるか?』
/268ページ

最初のコメントを投稿しよう!

599人が本棚に入れています
本棚に追加