過ぎゆく日々、壊れゆく日常

45/53
前へ
/594ページ
次へ
「さて…そろそろ私ひとりでも大丈夫でしょう。お手伝いありがとうございました。」 栗ごはんが炊ける直前、不意に一音さんが口を 開いた。 「まだ、朝ごはんは出来ていませんし、後片づけだってあるのに。全部ひとりでやるなんて無茶 ですよ!」 私がそう訴えると一音さんは、深い深い ため息を吐いた。 「…そこまで言うなら、もうひとりの料理当番を 連れてきてください。」 「え?」 驚きすぎて、裏返った声が出てしまった。 もうひとりの…料理当番? 一体、どういう事!? 「あの…一音さん?料理当番は、おひとりでは なかったのですか?」 「ひとりですよ。総夜と共に料理当番 となった者は。」
/594ページ

最初のコメントを投稿しよう!

292人が本棚に入れています
本棚に追加