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カッペちゃんと過ごした、あの夏の日々は、俺が村で過ごした最後の夏だった。
橋の下に秘密基地を作り、川で水遊びをしたり、畑からスイカやキュウリを盗んで来たり………
とにかく二人で、朝から日が暮れるまで遊んでいた。
俺の人生の中で、一番幸せな夏だったように思える。
収穫の秋を経て、雪の訪れと共に、我が家は俺の小学校入学に備えて、村を出る事になった。
カッペちゃんは俺との別れを悲しみ
「やっと友達が出来たのに……
一人ぼっちは寂しいジョー………
ケンちゃん。離れても、オイラとケンちゃんは、ズーっと友達だジョ!!」
そう言って泣いた。
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