カッペ SUMMER 2013

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あの日から、三十年程の歳月が流れた。 カッペちゃんは今も元気なのだろうか。 俺は、人生の最後に、親友の笑顔を思い出した事を嬉しく思いながら、煙草を足元に落とした。 (俺の人生………捨てたもんじゃ無いな) そう思いながら、再び、橋の手すりに手を掛けた。 その時だった。 「…………ンちゃん……たすけてー」 自分の心臓の音が聞こえそうな、静寂と緊張の中で、俺は微かな呻き声を聞いた。 驚いて辺りを見渡したが、誰も居ない。 (空耳か?) そう思ったものの、俺は確かに呻き声を聞いたのだ。 更に辺りを見渡すと、数メートル先の路上に、三十センチ程の大きさの緑色の物体が落ちている事に気が付いた。
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