カッペ SUMMER 2013

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やけ酒で酔っぱらった俺は、橋の上から下を見下ろした。 視界に広がるのは漆黒の闇。 (ここから飛び降りたら、全てを終わりに出来る) そう思いながら、真っ黒な夜の川に吸い寄せられるように、橋の手すりに手を掛けた。 三年前に脱サラして会社を興したものの、事業は失敗。 半年前に妻は子供を連れて家を出て行った。 俺に残された物は、借金のみである。 いい加減、生きる事に疲れ果てていた。
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