カッペ SUMMER 2013

4/37
71人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
風を感じながら、深々と煙草を吸い込んだ。 耳を澄ますとコオロギの鳴き声が聞こえた。 風が、夏草と川の香りを運んで来た。 懐かしい香りだった。 (カッペちゃん元気かな………) 不意に甦った子供の頃の記憶。 キラキラと輝いていた、あの夏の日。 今思えば、あれは幻だったのかもしれない…… 誰にも話した事は無いが、俺に初めて出来た友達は河童のカッペちゃんだった。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!