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大して大きな川では無かったが、濁流に飲み込まれた子供の俺に、為す術は無く『僕はここで死んじゃうんだ』子供ながら死を覚悟した。
意識を失なう寸前に、不意に目の前に、緑色の手が現れた。
気が付くと俺は、川岸の草原に寝かされていて、俺の顔を心配そうに覗きこむ、緑色の少年の顔が頭上にあった。
意識を取り戻した俺と、視線が合った緑色の少年は、嬉しそうに笑うと、すぐに慌てたように後方に飛び退き、近くにあった山桜の木の影に身を隠した。
山桜の木を見つめていると、少年が恐る恐る木の影から顔を覗かせた。
「雨の後の川は危ないジョー」
少年が言った。
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