カッペ SUMMER 2013

7/37
前へ
/37ページ
次へ
「大ナマズはオイラの友達… ……イ…イジメちゃダメだジョ!」 「お兄ちゃんの友達!?      ……ゴメンなさい」 俺が素直に謝ると、少年は驚いたような表情を浮かべ、警戒するように、辺りをキョロキョロと見渡した。 少年の隠れた山桜の木で、アブラゼミが大合唱を始めた。 木漏れ日の下で、少年がニッコリと笑った。 「オイラが怖くないのか?」 「うん……お兄ちゃんが僕を助けてくれたんだろ?」 「キャハ」 ちょっと甲高い笑い声を上げて、少年が恥ずかしそうに山桜の影から姿を現した。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加