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「大ナマズはオイラの友達…
……イ…イジメちゃダメだジョ!」
「お兄ちゃんの友達!?
……ゴメンなさい」
俺が素直に謝ると、少年は驚いたような表情を浮かべ、警戒するように、辺りをキョロキョロと見渡した。
少年の隠れた山桜の木で、アブラゼミが大合唱を始めた。
木漏れ日の下で、少年がニッコリと笑った。
「オイラが怖くないのか?」
「うん……お兄ちゃんが僕を助けてくれたんだろ?」
「キャハ」
ちょっと甲高い笑い声を上げて、少年が恥ずかしそうに山桜の影から姿を現した。
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