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結局、道場にいた部長に経緯を話して荷物を保健室に運んだ時には保険医が戻って来ており俺は荷物を預けてそのまま帰宅した。
兵藤は過労なのか熱中症なのか、苦しそうな表情を浮かべたまま眠っていた。
早く良くなれよと心の中で呟きながらも、接点のない兵藤とは話す事もないと思っていたのだけれど。
「なあ、何で兵藤がお前の事呼んでんの?」
昼休憩に購買から戻って来たツレが俺の前の席に腰を下ろしながら開口一番質問を投げ掛けると親指で後ろの扉を指し示す。
「は?」
「だから、兵藤がお前を呼んでるんだって。」
ツレは不思議そうな顔で俺を見る。周りの連中も物珍しそうに扉の影に立つ兵藤に視線を向ける。
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