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その後、昼休みのやり取りを思い返す度に段々と兵藤の行動に腹が立ってきたせいで散々な午後を過ごした俺はツレから腫れ物を触るかのような態度で送り出されて一人玄関に向かった。
お礼の押し付け、と言ったらまだ聞こえが良い。お礼を通り越して嫌がらせだ。何だったら宣戦布告だと言っても良い。
マジでうっとおしい。
もし、玄関にアイツがいなかったらそのまま帰ってやる。そう息巻いて下駄箱に向かった俺はガックリと肩を落とした。
玄関どころか俺の下駄箱の前で腕組みをして立ちはだかる兵藤がつい、と視線を俺に向ける。興味のなさそうな目で俺を見てフンと小さく鼻を鳴らす。
一発ぶん殴ってそのまま帰りてえ。
そんな衝動に駆られながらも踏み止まった俺は兵藤を視界から外して靴を履きかえる。
「遅い。」
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