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そんな性癖は一切ないし相手はどこから見ても男だし病人を介抱しているだけだけれど
、荒い息を吐きながら潤んだ目で脱がしてくれなんて鳥肌が立ちそうだ。
でも、仕方ない。
兵藤の腰を軽く持ち上げて袴を一気に抜き取る。上着の丈が思ったよりも長くて足が隠れている事にホッと安堵して袴を軽く畳むと椅子の背に掛ける。
そして、手早く腹辺りまでタオルケットを掛けて様子を窺う。
「ありがとう。」
弱っていて自棄にしおらしい様子に、妙に居心地が悪くなり俺は一歩後ろに下がって兵藤を見つめた。
何か調子が狂った。
「荷物持って来てやるから待ってろ。」
妙な気まずさを感じた俺は兵藤に声を掛けると返事も待たずに保健室を飛び出した。
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