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「あ、ああ……」
赤い本から離れようと、少女は後ろに下がる。
でもその時、少女の後ろで大きな音がした。
それは何かが落ちた音。
恐る恐る、彼女は後ろを振り向いた。
「あっ……」
落ちてきたのは赤い本だった。
それも数えきれないほどの……。
少女の顔はわからないが、その数えきれないほどの赤い本を見て、泣き崩れたのがわかった。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
少女は謝った。
何度も……何度も……
「……ごめんなさい……ごめんなさい……」
何度も……少女は謝る。
「うっ……!」
突然、俺の耳に入ってきた大きなノイズ。
俺は耳をとっさに押さえ、下を向いた。
「あれ……?」
ノイズが聞こえなくなった時、少女は本を残し、いなくなっていた。
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