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今思えば寮の前で入るか入らないか悩んでウロウロしてた私を助けてくれたんだょね
さっきだってその場限りの誤魔化しで云ったコトを気に掛けてわざわざ戻ってきてくれた
ううん、もしかしたら最初から?
私が部屋の前で泣きそうになってたトキから…
勝手な思い込みなんだケド、そう考えだすと、まるでそれが本当に真実かの様に私の中にしみ込んでくる
不思議、あの人は…芦沢先輩は苦手ぢゃない。恐くない。
そんなコトを考えながら私はいつの間にか眠りについていた
次に眼が覚めたのは夕食時。時間になっても起きない私を神谷クンが起こしてくれた
おかげで夕食を食べ損ねるコトもなかったんだケド、起こされるトキに身体を思いっきり揺さ振られたため食事を喉に通せる状態ぢゃない。
しかも起き抜けに神谷クンのどアップを目の当たりにして本当に心臓が停止しかけた…
でもそんな私の心情なんて何のその。原因となった張本人は相変わらずの無表情でスタスタと食堂へ向かう。
ま 1番の原因は私がちゃんと時間に起きなかったせいなんだし文句は云えないんだケドもぅ少し…こう、優しく起こしてくれても…
なんてそんな不服を心のなかでぼやいていたが、別に私を気に掛けてくれる風でもなく行ってしまうので、慌てて覚醒したばかりで倦怠感の残る身体を起こし、急いで彼の後を追いかけた
夕食後は特に何の問題もなく就寝時間まで過ごすコトが出来た
ま 食事が終われば後は各自の部屋で自由に過ごせるし、神谷クンは洗濯やお風呂に行ったりしててくれたおかげで部屋にはほとんど自分1人だった
私はやっと安息の時間を手に入れたのだ。
そして何より、幸運なコトに大浴場に行かなくても部屋には簡易シャワーがついていたため人目を気にせずにゆっくり出来た
せっかく出来た安息の一時なのだから、もぅ少し満喫したかったケド、明日は康野の代わりに学校へ行くと云うコトと神谷クンが戻ってきたトキの気まずさを想像して顔を合わせないためにと、いつもより早めに眠りに落ちた。
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