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「はぁはぁ、まっ撒いたかな…?」
おそるおそる後ろを振り返ってみるとさっきまで溢れる程いた人が綺麗サッパリいなくなっていた
そのコトに安心し、走って疲れた身体を休めるためにその場に座り込む
さすがと云うか何と云うか、私は少々康野を侮っていたようだ
明るくてお調子者ってのは理解してるつもりだったケド、これほどまでとは正直予想外だった
今日、登校初日。
性格改善のためにも頑張って自分から話し掛けてみよう!と決意してきたケド、話し掛けるドコロかそこら中の人たちに声を掛けられて受け答えするだけでも一苦労。
話し掛ける手間も省けていいと云えばいいんだケド、あんまあたふたしてるとまた怪しまれるし、云ってる内容もよくわかんない。
…多分プロレスかなんかの話だと思うケド視たコトない私にはちんぷんかんぷんだった
だから『トイレに行く』と云って抜け出そうとしたんだケド、ノリがいいのか、みんなついてこようとするから思わず走って逃げてきた
なのにすごい勢いで追い掛けてくるんだもん
鬼ごっこぢゃないんだから…
私も慣れない校内を夢中で体力の許すかぎり走り続けた
その結果がコレだ、
「…とりあえずプロレス視とこうかな…」
荒かった息を落ち着けて、皮肉混じりに呟いた
―…と、そのトキ
キーンコーン、カーンコーン、キンコンカンコーン…
授業予鈴のチャイムが響き渡る
それに慌てて、まだ身体には疲れが残っていて億劫だったケド、いつまでものんびりしてたら次の授業に遅刻してしまう。
私は急いで辺りを視回した
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