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『・・・とりあえず行ってみるか』
湯船から上がった雀はタオルをしっかり締めて混浴風呂の方へと歩き出す。
(ってか何でだよ、俺の気持ち汲み取ってもいいだろ!?何で一択なんだよ、俺へのいやg)
滅びよ・・・
『ってェ!?』
雀が心の中で誰かに愚痴ってると突然何処からかたらいが雀の頭上に落ち、クリーンヒットする。
ってか文句言うなよ。黙って混浴行ってハーレムしてこいやボケが!!
(!?何か今のものすっごく理不尽に罵倒された気がする・・・)
ゾクッと何かを感じとる雀だったが気のせいだと信じこみ、混浴風呂への扉を開ける。と
『『『あ』』』
ガシャン!
『俺は何も見てない、俺は何も見てない。そう何もなかったァッ!?』
雀は勢いよく扉を閉めて何やらブツブツと呟きながら温泉に戻ろうとするが扉から突然出てきた手によって捕まえられた。
『マスター?』
『いや、今丁度電気風呂に入りたくなったからさ、せっかくだし初めてだから入ろうと思って』
扉の小さな隙間から覗いてくる何かに向かい『じゃ!』と手を挙げて立ち去ろうとするが
『だ!い丈夫ですよマスター』
一瞬の内に扉を開け混浴に引きずり込んだリニスは風呂の方を指差して雀に言う。
そして釣られるまま指差した方を見ると
『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~』
『』ブクブクブクブク
そこには気持ち良さそうに声を挙げるアルフと同じく気持ち良さそうに発電しながら入っているフェイトがいた。
『・・・』
『こちらもさっき、電気風呂になったんで』
口を開けたまま呆然とする雀をよそにリニスはニコッと笑いながら言った。
この時雀は後日こう語っている。
『あん時、俺に向かってリニスが笑った時にあの二人も俺を見て笑ったんだ。あれが本当の「詰んだ」ってヤツだな。つーかトラウマだわ』
と
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