237人が本棚に入れています
本棚に追加
/246ページ
『どうしてこうなった・・・』
広い空間の中でポツリと木霊する。
『もう一度言う。どうしてこうなった』
そう呟きつつ彼は周りを見渡す。とりあえず家の中なのはわかるが如何せん、広い。それもかなり。
家具を見る限りそこまで豪華ではなさそうなのだが親戚どうしでパーティーするくらいならどうってことないくらい広かった。
だが今の彼はそんな事を気にしているのではない。
そう、彼が気にしているのは・・・
『何処だよここっ!?』
机をバンッ！と叩きながら彼は叫ぶ。
『何？何がどうなってるんだよ!?いつも通り夜遅くまでゲーセンつれ回されて疲れて帰ってすぐ寝たハズなのに目が覚めたら急に知らねぇとこだよ!!マジ何処だよここ!!』
頭を抱え天を仰ぎながらの心からのシャウト。既にこの家の中は探索済みだ、何故か人が１人も居ないし外見ても全く見たことのない景色が広がっていた。
『アレか？最近調子乗って金使いすぎたからか？金ないのに調子乗って酒買ったからか？』
頭をガンガン机に叩きつけつつ叫ぶ彼。
その後も暫く混乱しつつ叫び捲っていると
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
と不意にチャイムの音がした。
『あ、はーい。今でますー』
彼は普通に玄関に向かって返事をして立ち上がるが
『バカか俺はッ!?何何時も通りに返事してんだよっ！死ぬのか？死ぬのか俺は！』
とは言いつつ返事してしまったものはしてしまったので素直に(ヤケクソになり)玄関のドアを開けた。
最初のコメントを投稿しよう！