第二訓 『風が強い日は大抵向かい風』

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『サンダガSHG』 手の甲に紅い紋章を宿しながら彼は魔法名を口にし魚に向かって雷撃を飛ばす、がその直前で湖の中に潜り込み避けられてしまう。 『チッ・・・めんどくさいな!!』 舌打ちしつつも自分に「ヘイスト」と「プロテス」をかけ、湖に更に近づく。 正直ここで湖に向かって最大出力の「ヘルサンダー」や「サンダガ」をぶつけてもいいのだが彼女には出来なかった。 もし魔力を出し過ぎてしまったらそれだけで魔力探知されてしまい、湖の魚は全滅。つまり彼女自身の首を締めてしまうことになる。 『さてと・・・適当にやった割には出だしはまずまず、いや奇跡だったが・・・どうやって引きずり出してやろうか』 と呟いた瞬間 『*+**>!#$%$$$%!!』 雄叫びと共に魚が水面から飛び出しあろうことか「水」を吐いてきた。 雀は冷静にそれを見切りギリギリで避けその後を見てみると 『まさか・・・ウォーターカッター!?』 切断されたアスファルトを見て驚愕の声をあげ同時に恐怖する。 (大丈夫・・・大丈夫だ俺!アレを避けれたんだから油断しなければ!) 心の内で自身を鼓舞し再び水面に潜った巨大魚に意識を集中させる。 (時間はあまりかけられない・・・。けどどうやってコイツを引きずり出す?) すると巨大魚が水面から飛び出し今度はそのまま雀を補食すべく飛び掛かる。
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