第二訓 『風が強い日は大抵向かい風』

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巨大魚は宙に少しの間浮いた後大きな音と共にダムの横に沈み眩い光を放ちながら元のサイズへと戻った。 その隣にカランとジュエルシードが落ちた瞬間 『ふぃ~』 彼女の緊張の糸が緩んだ。 彼女はその場にへたりこみたかったがそうもいかないので足早にジュエルシードに近づきそっと拾う。 とその時あることに気がついた。 『おーまだ生きてたのか』 そう、さっきのジュエルシードにより巨大魚に変異した魚はまだ生きていたのだ。 『結構おもいっきり撃ち込んだつもりだったんだけどな。まぁいい』 魚に向かってそう言うとジュエルシードをポケットにしまい彼女は魚を手のひらに乗せ 『フェアリー、頼む』 無詠唱で召喚獣であるフェアリーを呼び出し、癒しの魔法をかけた。緑色の淡い光に包まれ次第に元気を取り戻していく魚。 そして完全に傷を癒した後 『んじゃ、悪かったな』 と魚に声をかけ湖に放り投げた。 さて・・・と彼女は呟きジュエルシードをポケットから取り出し願った。 『俺は願う、俺を男に戻せ!』 ーーーーーーーーーーーーーーー 『確かこの辺りだったハズ・・・』 空を飛びながら彼女・・・フェイトはジュエルシードを探し続けていた。 (でもおかしい・・・さっきまで反応がはっきりとあったのに今は微弱にしか感じない) そうまるで力を使いきったかのように。 するとフェイトは拓けた場所にあるダムを見つけ驚愕した。
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