第二訓 『風が強い日は大抵向かい風』

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『風邪治って良かったね、雀兄ちゃん』 『あぁ、俺もビックリしたよ』 雀の体が元に戻ってから数日後、雀は学校にようやく復帰し、なのは達と共にバスの中で話していた。 『それはこっちのセリフよ、今まで休んだことなんて見たことなかったのに急に休んだと思ったら風邪だっていうもの』 『でも治って良かったですね、結構日にちが空いたから心配しましたよ』 雀の言葉にアリサが言い返し、すずかは穏やかに笑って言った。 『あぁ、皆勤賞は残念ながら取れないけどな』 微笑しながら肩を竦めて言う雀。正直雀的には出来るだけこのメンツとの会話は避けたいのだが如何せん、バスでないと学校までしんどいので避けられなかった。 更に言うとこの間若干愛想が急に悪くなった事について聞かれてしまったので怪しまれない為にも会話は普通にしていた。 『そういえば何で君らまでバス通なんだ?リムジンとかあるだろ?』 ふと思った一言を口にするとアリサは 『忘れた?雀が「目立つから嫌だ」って言ってたんじゃない』 『皆で話した方が楽しいしね』 呆れたように言い、それに続いてすずかが苦笑いして言った。 『あぁ、そうだったっけ?』 雀はそう呆けながらも (まぁあんまり目立つのは遠慮したいからな、ナイスだ俺) と心の中で過去の自分を初めて褒め称えていた。 まぁ実際には年下といえ可愛い女の子達と親しく、外見はどうみても女の子にしか見えない時点でかなり目立っているのだが。
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