第二訓 『風が強い日は大抵向かい風』

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そう、散々雀を苦しめた残念なイケメン、エーカーが腕を組み立っていた。 『そう身構えなくてもいい。先日の無礼に関しては改めて謝罪させてもらおう』 目を閉じながら冷静に言い放つエーカーにまたもや驚きつつ 『お前、変わったか?』 と問いかけ、エーカーは不敵な笑みを浮かべ 『あぁ、何故だか最近の私は自分でもおかしいと感じていた』 『では何故ッ!?』 『私にもわからん、だが変な石を持った瞬間何故だか止まらなくなったのだ』 変な石と聞いた瞬間あぁと心の中で察した雀は 『まぁいい。んでアイツは何者だ?』 と問いかける。 エーカーは『そうだな』と腕を組み直しながら 『彼は「天我 来人(アマガ ライト)」。転校生だ。』 『転校生?』 雀の問いにあぁと答え 『君が休んでいる間に転入してきたのだよ。勉強、スポーツ共に万能、更に性格もいいと来ている。女子にはな』 『と言うと?』 『一方で男子には一方的な無視を決め込んでいる。お陰様で男女間にかなりの溝が出来ている始末だ。』 肩をすくめある方角を指差すエーカー。雀もその方角を見るとピリピリとした男子諸君がいた。 『君から見てこの状況、どう思う?』 エーカーから問いかけられるが 『興味はないが・・・』 と校舎に向かって歩き出し続ける。 『あまり好ましくはないな、こんなピリピリとした空気は好きじゃない』 と言い残して校舎の中に消えていった。
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