人と神姫と町人A

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「んで、次はどこ行くよ?」 「そうだな……」 街を歩きながら次の目的地を探す。 「……服を見てみたいな」 「服ならもう良い感じの着てるからいいじゃねぇか」 ネロは人間になった時から既に服を着ていた。 下はホットパンツ。上は白いタンクトップに黒いジャケットを着ており、ジャケットのポケットからは先程のぬいぐるみが顔を出している。 「犬飼は会う度にいつも着ている服が変わっているだろ?あたしだって人並みに着飾りたい気持ちはあるんだ」 「……金ないから買わねぇぞ?」 「試着だけでも十分だ」 そういうことならと近くの服屋に向かう。 案外近くにあったのですぐさまそこに入った。 「凄い量だな……」 「沢山の人のニーズに応えるためだな」 突然ネロが手を離す。 「あ、おい!」 「自分で色々見てまわって来る。大地はそのあたりをまわっててくれ」 「いいけど、迷子になるなよ?」 「こっちの台詞だ」 そう言ってネロが服の山の中に消えていった。 手に残った温もりがなんだかもどかしかった。
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