4人が本棚に入れています
本棚に追加
「んで、次はどこ行くよ?」
「そうだな……」
街を歩きながら次の目的地を探す。
「……服を見てみたいな」
「服ならもう良い感じの着てるからいいじゃねぇか」
ネロは人間になった時から既に服を着ていた。
下はホットパンツ。上は白いタンクトップに黒いジャケットを着ており、ジャケットのポケットからは先程のぬいぐるみが顔を出している。
「犬飼は会う度にいつも着ている服が変わっているだろ?あたしだって人並みに着飾りたい気持ちはあるんだ」
「……金ないから買わねぇぞ?」
「試着だけでも十分だ」
そういうことならと近くの服屋に向かう。
案外近くにあったのですぐさまそこに入った。
「凄い量だな……」
「沢山の人のニーズに応えるためだな」
突然ネロが手を離す。
「あ、おい!」
「自分で色々見てまわって来る。大地はそのあたりをまわっててくれ」
「いいけど、迷子になるなよ?」
「こっちの台詞だ」
そう言ってネロが服の山の中に消えていった。
手に残った温もりがなんだかもどかしかった。
最初のコメントを投稿しよう!