プロローグ

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うわっ! この人、めっちゃ怖そう!! これは、私が感じた隣人への第一印象。 住み慣れた地元から、遠く離れたこの都会に引っ越して、まず最初の挨拶で隣のインターホンを押したのは夕方だったのに、その隣人は明らかに『寝てました』っていうひどい寝癖。 だぼついたスウェットにTシャツで。 ぼ~っとした顔で玄関を開けたお兄さん。 「あ~山上です。ど~も。」 挨拶をするお母さんにぼそぼそと挨拶してきた。 「初めまして。娘がご迷惑かけるかもしれませんが、よろしくお願いします」 必死に関西弁を使わずに話そうとしているお母さんのしゃべり方は明らかに可笑しかった あっ...この人も、笑いを堪えてる? 山上さん。 というその男性はお母さんの変ななまりに口元をふるふると震えさせて笑うのを必死に我慢していた 「これ、つまんないものですが。私が炊いたんです」 「はぁ。」 山上さんは、お母さんに渡されたタッパーを開けて物珍しそうにその中身を見つめていた。
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