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口に出してしまった気持ちは頑なに我慢していた涙を一気に溢れさせた。
上を向いて立ち止まったままただ泣いてる私を通行人が避けながらもじろじろと見ながら通りすぎていく。
『ひなっ!どうしたん!?』
『ぜったい泣かへんあんたがなくなんて、珍しいこともあるんやなぁ』
『ひな、離れてしまうけど頑張るんやで?センパイと仲良くせなあかんよ?』
友達の声が遠くで聞こえたきがした。
「っ……もみ…いっちゃぁん」
遠くで聞こえた声の名前を口々に呟いた。
私、友達できへん…センパイがなんか変やねん
誰かに言いたいよ…
「こら、女子高生。こんなとこで泣くな」
急に私の顔にふわりと広げられたハンカチが舞い降りた
「…へ?」
「それで顔隠してたらいい。ほらカバンかせ」
その声の主が私のカバンをさっと奪い、大きな手がカバンのかわりに私の手と繋がった。
「少しだけ早く歩くぞ?」
そう言った声の主。
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