彼女の想い

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相変らず帰って来る気配のない 彼女がさすがに心配になって来る。 まさか泥酔してまた記憶を 失ってるんじゃないだろな? じっと携帯を見つめながら 千夏の帰りを待つ俺って 一体何なんだろ? そんな疑問を感じながら ソファーに寝転がってみれば 微かに回り始めた酒のせいで 一気に瞼が重くなって そのまま俺はそこで眠ってしまった。 やけに腰あたりに痛みを感じて しぶしぶ目を開けると ぼんやりと映った時計の時刻は 午前6時半。 …結局ここで寝てしまった。 そう思いながらカチコチに 固まっていた体を伸ばして 千夏が寝ているであろう ベッドでもう少し寝ようと 寝室に入って俺は唖然とする。 …千夏…いねぇし。 慌ててリビングに戻って 千夏から何か連絡が来ていないかと 携帯を見てみる。 けれど着信どころかメールすら 届いていなかった。 え?あれ? …無断外泊とか…? …なんだそれ。 同棲であっても結婚と同じなのに それに対しての自覚がない千夏に 無性に怒りが込み上げた。
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