彼女の想い

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音響効果抜群に仕上がっている そのスタジオの中に 音楽が流れ出す。 『君と巡り会った日から 私は変わり始めた 暗闇の中でもがき続けた日々 弱かった自分を 立ち上がらせてくれたのは君で どんな事があっても見捨てずに 守ってくれるのは君だけだから いつも隣で微笑んでいて 君がいてくれたらどこへでも行ける 繋いだ手を離さないで きっと二人なら乗り越えて行けるから 君をアイシテル  このキモチはEndless』 耳に入って来たのは いかにも?って感じの ラブソング。 これを俺に聴かせて何の意味が あるのか理解出来ずに 首を傾げていると 朝日奈はクスッと小さく笑った。 「この歌詞、彼女が書いたんですよ」 「はっ?」 「あなたを思って加藤さんが この曲の詞をつけたんです。 作文は苦手だとか言いながらも 一生懸命頑張ってました」 朝日奈の言葉に、 どう反応していいのか分からず 固まっていると彼は1枚の紙を 俺に差し出した。 そこには見覚えのある千夏の 可愛らしい文字が並んでいた。
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