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「あなたとの結婚式の
入場曲を自分で作りたいと…
僕に依頼して来たんです。
まだ結婚式をいつするかは
決まっていないけれど
いつプロポーズされても
大丈夫なように今から
準備しておきたいと、ね」
「はっ?」
「なので1週間で作曲して
先程まで彼女はここで
この曲に詞をつけていました。
ボーカロイドで
歌わせてみるために
小野さんには30分ほど
お待ち頂きましたがね」
…じゃあ…千夏は…。
「ちなみに僕は加藤さんは
可愛らしい人だとは思いますが
欲情する事はありません。
小野さんには申し訳ないですが
僕の好みではないので」
東雲と同じ言葉を吐き出した
朝日奈に思わずフッと
笑ってしまった。
「東雲も…
同じ事を言ってましたよ」
俺の言葉に朝日奈も
クスクスと笑い出して。
「アイツは誰よりも僕の
好みを知っていますからね。
しかし、加藤さんは
余程小野さんに惚れてるんでしょう。
あなたの事を考えただけで
こんな詞がスラスラと
書けるのですから」
「…はぁ…あの…
朝日奈さん…
誤解してすみませんでした」
急にバツの悪さを感じて
頭を下げた俺に朝日奈は
穏やかな笑みを見せた。
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